thebluecastle

ちょっと魔法でばんそうこ

あの新曲いいよね

誘うつもりの2枚を

行けなくなったから誰かと行ってきたら?

なんてね

そんな妄想してみる

週に1回会えるかどうかを

どれだけ楽しみにしてるか

見えてしまったあれに

見てしまったあれに

ときめく

『日常』に潜むそれに気づいてしまった

 

誘うつもりの2枚を なんてね

 

やっぱり元に戻ったよね?

そんなものから糸口を見つける

幸せ太りだったのかな

コアラに戻ったよね

その心に私のスペースは生まれないけど

犬みたいな笑顔に ときめく

 

低気圧が運ぶ頭痛にも

気怠い朝にも 冷たいシャワーを

ミルクティーベージュ

そこまで興味ないけど

It looks good on you

って言わなかったのをちょっと後悔している

真ん中のほうが似合ってたけど

「トム?ジョン?ボブ?」

その瞬間に It looks goond on you

って言えば良かったのに

 

このまま誰にも求められないまま

誰のことも求めないまま

目を閉じるのかな?

重ね合わせることすらないまま?

広い肩幅を感じることも

太い前腕に触れることも

あり得ない?

 

劇的なのとか永遠は望んでないよ

それらほど脆いものはないって知ってるから

ただ静かに

水辺を歩いたりさ

それだけなんだけどな

スーパーに行くのでもいいし

マクドを食べに行くだけでも

服屋をまわって

これが似合うんじゃない

とか言ってみたい

ほんの少しのま

君の顔を見つめて すぐ逸らして

またねって言って別れたい

 

だから

It looks good on you

って言わなかったのをまだ後悔している

いつの間にか うたが必要なくなった

言葉がいらなくなった

空想を手放した

枕を濡らさなくなった

心が四角くなった

完成ばかり追い求めた

いちいち記録する必要なんか なくなった

誰も分かってくれないなら 話す必要なんてない

と傷付いた夜は記憶の彼方

占いのように信じる何かがまだあった頃私は子どもだった。努力だけではどうにもならなそうなとき事あるごとにそれに願掛けした。やがてそれが通用しないと知ると自然とそれから離れるようになった。そうするといつの間にか大人になっていた。泣いてもどうにもならないことを知った。ただやるしかない。できなくてもやるしかない。そんなふうに繰り返しているうちにお化けは見えなくなった。小さな頃はどんな暗闇にもお化けの姿を見たのに、夜のトイレも行けるようになったのだ。

 

3 Oct, 2023 

(『ピアニシモ』辻仁成 読後の記録、読書メーターより)

 


あの頃わたしはとても孤独だった

仕事が終わってドラッグストアに寄って家のための買い物をして死んだ目で夕飯の食料をスーパーに買いに行った

家に着けばジジを出して汗をかいた体をベッドにつけないために直に床に横になって眠った

その間彼女は部屋を飛び回って一人で遊んでくれた

わたしの体に止まってかまってと言うこともあったがわたしは眠気に抗えなかった

彼女の羽の音と声を聞きながら眠気に身を任せた

今思えば心底孤独だったのだ

そんな日々に彼女はそばにいてくれた

寂しく色のない日常に彼女のコバルトブルーと深いグレーだけが色濃く刻まれている

ずっと家にいるわたしを彼女はどう思っていただろう

わたしのこれからの時間も含めておそらく人生のなかで最も辛い時期にそばにいてくれた彼女の瞳にわたしはどう映っていただろう

思えばわたしは25で彼女とは5年くらい一緒にいたから、20代前半を彼女と過ごしたのだ

過ごしている間はどうということもないのに、振り返れば愛おしく感じるものだから

たとえ50で死ぬ人生だとしてもこの5年はかけがえないものとして思い出されるんだろう

遠くどこかへ行ってしまった彼女との日々を思い出すときわたしはその頃の純真さを知る

黒く濁ったものを抱えながら未熟であるがゆえに持ち得るひたむきさを知る

なぜ君がこんなに特別なのかは分からない

ただ君に会いたい

もう悪夢を見ることもない?

わたしはあの子のためなら死ねる

 

誰かが咳をすれば真似て声を出したのに

 

君は月を見たっけかな?

 

あの子は月を見たっけかな?

 

あなたのためならいくらでも死ねるのに

今でも泣いたりするよ

息が苦しくなったときとか

そのシルエットが浮かんだときとか

生きる力になっていたのに

山並みが霞んで消えていくから

 

足元から崩れ落ちたとき

生きるってどういうことか分かった

 

(7 February, 2023)