thebluecastle

ちょっと魔法でばんそうこ

あの子のからだの真ん中が冷たくなっていくのを見た

あの子の血が流れなくなるのを

行かないでと思うのに

同時にもう苦しまないでと思った

そのうち心臓は鳴らなくなって

君の苦しみも終わった

変わってあげられるなら

そして未来永劫 自由に飛び回ってくれたら

そんな魔法が使えたらどんなに良かったろう

長い年月が経って君がわたしを忘れてくれたっていい

君が綺麗に ときに情熱的に歌うのを見ているだけで

体調を崩すとわたしは自分の歳を恥じる

老いたことじゃなく酔生夢死であることに対して

君はあまりにもひたむきだったから

生きるべきは君なのに

君は命を燃やしたんだ

わたしは煙さえ立たず

だからあんなに君が眩しかった