あの頃わたしはとても孤独だった
仕事が終わってドラッグストアに寄って家のための買い物をして死んだ目で夕飯の食料をスーパーに買いに行った
家に着けばジジを出して汗をかいた体をベッドにつけないために直に床に横になって眠った
その間彼女は部屋を飛び回って一人で遊んでくれた
わたしの体に止まってかまってと言うこともあったがわたしは眠気に抗えなかった
彼女の羽の音と声を聞きながら眠気に身を任せた
今思えば心底孤独だったのだ
そんな日々に彼女はそばにいてくれた
寂しく色のない日常に彼女のコバルトブルーと深いグレーだけが色濃く刻まれている
ずっと家にいるわたしを彼女はどう思っていただろう
わたしのこれからの時間も含めておそらく人生のなかで最も辛い時期にそばにいてくれた彼女の瞳にわたしはどう映っていただろう
思えばわたしは25で彼女とは5年くらい一緒にいたから、20代前半を彼女と過ごしたのだ
過ごしている間はどうということもないのに、振り返れば愛おしく感じるものだから
たとえ50で死ぬ人生だとしてもこの5年はかけがえないものとして思い出されるんだろう
遠くどこかへ行ってしまった彼女との日々を思い出すときわたしはその頃の純真さを知る
黒く濁ったものを抱えながら未熟であるがゆえに持ち得るひたむきさを知る
なぜ君がこんなに特別なのかは分からない
ただ君に会いたい