thebluecastle

ちょっと魔法でばんそうこ

とくと巡る

あのときから止まっていた時間が
また動き出しそうな音が聞こえた
冴えない汚いこの街も 無理に装った街路樹も
何年間も灰色だった
雀が台風の過ぎるのをじっと待つみたいに
なんでこんな仕打ち、なんて思わない
わたしは被害者じゃないから
覚えてる必要なんてないさ
いつかまた会えるから
何が起こっても変じゃない
安定なんてなかった時代を経て安定を得たその末路
そして また新しい未来を

無数に集めた点をいくら細かくしたって
目の前の笑顔に勝てるものなんてないよ
だからまた走り出す

捨てようと思って何度も捨てきれずに
どんなに離れていても
気持ちが変わらないから ここにいるのに


空を見ても風を感じても君を想う
誰かの期待する誰かになれなくていい
どんなに寄りかかってもいいから
生きることを肯定してほしい
生きていくことを受け入れてほしい
他のどんなことを投げ打ってでも
生きることに貪欲でいてほしい