thebluecastle

ちょっと魔法でばんそうこ

はなれる

顔は見えない

姿だけが小さくなる

わたしは寂しかった

あなたもそうだっただろう

なんで一緒に居られなかったかな

そうあるべきだと思うんだ

気にいる部分ばかりじゃない

どちらかといえば緊張するさ

でも近くにいるべきなんだ

 

わたしは何も責められないの

一生懸命だったこと知っているから

どうするべきか

どうしたらいいか

策を考えるのがいいはずなのに

わたしは  動かずにいたいって

 

 

あれから会うことも何度か

いつも何も考えないようにした

選ばずに甘んじた

思い出のすべてが愛おしいから

その前に立つには覚悟が足りないから

 

 

 

温度差

いま

わたしは半分

現実と幻想とのあいだで

どちらに行くことも許されない

 

その蕩けた目は嫌いなものリストの仲間入り

薄っぺらい言葉と

間抜けな姿

憧れたときもあったのに  もう知っている

 

なんでもないことを誇張して表現するなんて

幽霊  いるはずもない

ロマンなんて言わずもがな

目  指  髪  横顔も必要ない

嫌いだって決めた瞬間から見えるのは粗ばかり

そんなもの

 

真夜中    思索は

わたしを掴んで離さない

最後  すべて溶けて

眠りが迎えにきてくれる

なぜ競うばかり?

思索が足りないから

流されてばかり

わたし あなた

忙しさの中で その鍵をまた見つけられなかった
私には無理だよ あなたはそう言う
でも まだ探してる きっと 見つけられる
見つけなきゃいけない
まだ繋がってるから 切ったりしない

足りないよ これ以上にないくらいに頂戴
でも誰もくれないね 誰も知らない
私は止まるわけにはいかない
まだ成長しなきゃならないから
もう一度膝を立てて そう

使い古された和音たち 飽き飽きした
でも まだ求めてる
まだまだ足りないから これからも

生きる以上の理由があるなら教えてほしい
それが意味なのに なぜ消去するの

静かな夜の中で 毎晩 流す
どんどん侵されていくのを感じる
私の中の優しさが喰われて
守らなきゃ
って覆いかぶさる 盾を用意する
進むには痛みは避けられない?
ほんとうに?

きつい香りも 高い飾りもいらない
昔の安心感だけ蘇らせてほしい

夕方、秋の終わり、あなた





刈られた芝生、

なんだか寂しい気持ちになるんだ。

惨めな気持ちになったときのことを思い出すよ、

いつまでも幸せな色は続いてくれないんだね。




君だけじゃないさ、

分かってるんだ。

もっと良いのがあるよ、

知ってるさ。


でも、君がいいんだ。

君がそこにいるからさ、




僕は、ほんとうは、傷つきたくないんだ、


どうしよう、

いつか、おばあちゃんになって、膝の痛みを感じるようになるのかなあ、



僕はまだまだ歩きたいのに、

膝が歩かせてくれなくなる、




僕はまだ歩きたいんだ。



いや、歩かねばならないのに。




















(2017年11月21日 twitter)

ジジ

音が聞こえる。心臓が動くかぎりあなたは頭を左右に動かす、目線を動かす。心臓が動くかぎりその大きなまんまるい目を私に向ける、高い声で鳴く、寝言を言う。私を怖がって飛んでゆく、そのかわいいあんよでよたよた歩く。羽をふくらませてまんまるいフォルムを作る。その心臓が愛しい

19日の朝に


考えてみれば根拠のない自信で
(否 自信とはもとよりそういうものだが)

どこかと慌てて探してみても
あなたは動かなかった

触ればよそよそと手を避けたのに今日のあなたはそうしなかった

首は曲がり羽は動かず
目は皮肉にも今までにないほど穏やかに閉じられて
規則正しく刻んでいたリズムはもう聞こえなかった

全身を流れていた血は止まって足の血管は見えなくなった


きれいなくちばし


あなたはよく研いでいた


ごめんなさい と ありがとう
が同じくらい


彼女は言う
鳥くらい...

わたしにとっては愛しい人(鳥)

またひとつ(皮肉にもわたしは)学ぶ


死ぬとはこういうことなのか と思う
生命 がなくなるとは
こういうことなのか






血は止まっても
あなたの毛色はこれ以上ないほどに美しい


かわいいあんよの爪に透けて見えた血の通り道はもう見えない

そのかわいい鳴き声も

はねをふくらませ温もりを作り出していたあなたも

一日にたくさんうんちしたあなたも

ひまわりの種が好きでそればかり食べていたあなたも

シャワーを
近くでは怖がっていたのに
それの浴室床(よくしつゆか)の水の跳ね返りの音には反応したあなた


悲しくも、わたしは幾分 冷静だった


あなたの体を観察する余裕があるほどに

悲しい感情とそれとは区別していたのだ




穏やかに閉じられていると思っていた目は
黒目がなくなっていただけだった

すでに腐敗が始まっているのかしら...


力なく垂れる頭





見つけた瞬間は
動いてよ
と思った



そして悟った
もう動かないということを
早く受け入れようという意識が働いた
現実を早く受け入れようと

そして謝った


いま掌にのるあなたの重さは
内臓の分だけなのね



もう腐敗が進んでる




傾けた首は

もとに戻らない



美しいあなた
美しい
うつくしい
うつくしい







(愛しいキキ)