thebluecastle

ちょっと魔法でばんそうこ

Does She Walk Alone?


誰かを好きになれる自信も
誰かに好きになってもらえる自信もないんだ
目に涙を溜めてそう言葉にする
簡単に好きな人は現れないし
同じように好きになってもらえることは
もっと少ない
大丈夫だと言って
わかる人にはわかる魅力があるよって
たった一言でいいから
多すぎても惨めになるし
そんなこともあるよ
いろんなこと経験して、って
そんな言葉じゃなくて
十分素敵だよって味方になって
かわいいとか綺麗だよとか
そんな言葉じゃなくて
なんやそいつ、
しょうもないやつやなあ
そんな言葉で味方になって
誰かと肩を寄せ合って笑い合うということがない自分が
同じ気持ちで見つめ合うということがない自分が
どうしようもなく哀しいの

同年代の人たちよりは何も成し遂げていないかもしれない
綺麗なわけでもない
でも特別ひどいわけではないし
ノリだっていいし 教養だってそれなりにある
ちょっとした話でたくさん笑ってあげられる
歌だって結構上手いし
料理も人並みにできる
むしろ相手のほうに「ん?」って思うことのほうが多かった
まあ、そういうこともあるよねって
そんなバランス取らないでよ

どこが駄目だったか教えて
わたしが次に活かせるように
ダメだったらはっきりそう言って
ちゃんと諦められるように
君が始めようとして
ふたりで始められるかなって
歩き始めたら
始めさせてももらえなかったんだから
それぐらいの権利あるよね

透明

最近どんな小説読んだの
そんなとこから始めよう
その作家だったらこれ読んだよ
すぐに図書館へ そんなふうに
自分を諦める つまり
すべてのもの ヒト 夢
本当はどれも嫌で
そんなところに思いがけないお誘い
なんか違う って思われたならギブアップ
8:2で不安 それは変わらず
このまま不首尾 いつもみたいに?
そうなのかもね 忘れる方向なのかも また
でも足りないのが当たり前だから
いつかこれ以上足せないってぐらいに
もはや君が埋もれてるよってぐらいに

楽しさは埋もれてたから 事あるごとに涙流して
改めておじゃんと知っても小さな悲しみ
君が下だからさ 私は待つしかない
でも立ち止まってくれたら
極上のをあげる 敗者は私だから
矛盾するようだけど タイムリミットは今週

回復期に地殻変動
「伸るか反るか」
伸ってみたら折られたりして
もう嫌になんなあ
照れてるのだとしても 言葉が足りなすぎないかい
なんだろうね 何も始まってないのに
君が言うなら「待て」できる
散々振り回された10代
ヒトを好きになるなんて発想さえ
ほんの小さなボタンのかけ違いが惨事に
目の当たりにして
辛苦は父の残したCDで流して

またダメだったなってなっても
君のくれた色は 残ってる

花火

わたしは自分のことが大嫌いなのに
あなたは好きだと言ってくれる
役に立たないはずの繊細さを 大好きだと言ってくれる
「過去のことじゃないか」 とは言え すぐには進めないくせに

まっすぐな君を傷つけたくない
思い出だなんて不誠実なこと言いたくない
この夜をループしてもいい
枕に顔をうずめるくらいには喜んだ
音符と空気がバラバラに聴こえても

弱いなら強くなればいいだけじゃない
そんな単純さに立ち向かえないほど弱っている
手に取るように君がわかる
そんなヤワじゃない そう言って怒るかな
決めたら早い
自分も 君も信じられるかな


(16 Aug, 2024)

 


空が眩しかった日のことも遠くにあるけど

話し相手がいなかった日も


心は置いてきたから

だから君のがほしい


散らかった街 狭い空

 

 

昨日の夢でとても大切なことを学んだんけど

言葉で表せないようなものなんだ

 

 

心はきみの命といっしょに置いてきたから

きみが飛んでいった日に心は置いてきた

 

続く緑 高い空

 

代わりに君のをくれないか


青い空がとても眩しかったんだ

夜はこれ以上ないくらいに黒かった

その黒さが私を脅かすとともに包んでくれた

冷たい唇が心を粉々にした

いろんなものを置いてきてしまって

随分すり減った気がしてたけど

それで良かった

それが大人になるってことだったから

 

線路の上を歩いていたのに

 

かつてわたしの暮らしは歌で満たされていた

止めたそばからまた鼻歌を歌い始めたり

 

心を閉ざした時間は終わった

いまは陽気な心で笑い合える

(December 24, 2023)

、のはず

何度目かのデジャヴュ

覚えたてのフレーズを口ずさむ

洗濯物を畳みながら

暮れなずむ空のなか

弱くなったからか

涙もろくなる

君を知ったのは10年以上も前

打楽器としてピアノを弾く

私ひとりではすぐ死んでもいい

でも きみが生きる間は

 


少なくとも15年は見積もってる

26は ばばあだと からかう彼

酔生夢死でも きみのために生きる

長い間聴かなかった音楽も

 


エスアッラーブッダも知らない

ときに救ってくれるのなら

誰にでもすがりたくなったあの頃も

 


キミの音楽をよく聴いた

今よりもっと感受性が強くて

感情がぐちゃぐちゃで

それをどうすればいいのかも

頼ることもできなかった

寂しさ隠せずにいるなら、と

いつか終わりがくる、なんて知ってる

でもそれはずっと先のこと

あの子のからだの真ん中が冷たくなっていくのを見た

あの子の血が流れなくなるのを

行かないでと思うのに

同時にもう苦しまないでと思った

そのうち心臓は鳴らなくなって

君の苦しみも終わった

変わってあげられるなら

そして未来永劫 自由に飛び回ってくれたら

そんな魔法が使えたらどんなに良かったろう

長い年月が経って君がわたしを忘れてくれたっていい

君が綺麗に ときに情熱的に歌うのを見ているだけで

体調を崩すとわたしは自分の歳を恥じる

老いたことじゃなく酔生夢死であることに対して

君はあまりにもひたむきだったから

生きるべきは君なのに

君は命を燃やしたんだ

わたしは煙さえ立たず

だからあんなに君が眩しかった